これまでのあらすじ
地上に降臨した「ニニギ(邇邇芸)」は美しい「コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜比売)」と出会い、恋に落ちます。
「コノハナサクヤヒメ」の父「オオヤマツミ(大山津見)」に結婚の許しを得ようとしたところ、許可はしてくれたものの、「コノハナサクヤヒメ」の姉「イワナガヒメ(石長比売)」も添えられて来ました。
「ニニギ」は「イワナガヒメ」の容姿が気に入らないので返してしまい「コノハナサクヤヒメ」と一夜を共にしました。
『日本神話タロット』鏡ノ伍
「イワナガヒメ」
鏡ノ伍(カップ5)カードの意味
・正位置
リセット、損失、台無し、破綻
・逆位置
再出発、過去との決別
『日本神話タロット 極参』
鏡ノ伍
「イワナガヒメ」解説文(写し)
頑ななニニギをよそに、オオヤマツミはイワナガヒメも共に嫁がせましたが、美しくないイワナガヒメを、すぐにオオヤマツミの元へ送り返してしまいました。
イワナガヒメは自分はどうしてこんなにも醜く生まれてしまったのだろうと悔やみました。
鏡に自分を映しても醜い自分が映るため割ってしまいます。
三枚目の鏡を見た時、そこにはものすごい形相の般若が映っていました。
五枚持っていた鏡の残りの二枚は良い表情をした自分が映るはずでしたが、そのことにはまだ気づいていません。
参考記事
「古事記」におけるこの場面
なし
はるさん的補足
「イワナガヒメ」のその後を占ってみる
「古事記」には「イワナガヒメ」という名前では「送り返された」後の記述はありません。
ですのでたまにはタロット占い師らしく、カードから「イワナガヒメ」の心情を考えてみる事にしました。
この「カップの5」は悲しみや傷心のカードです。
「イワナガヒメ」は期待した物が手に入らず、悲しい気持ちでいっぱいで周りが見えない状況でしょう。
また、何らかの後悔もあったのかもしれません。
まあ当然ですね。
そこで「カップの5」のアフタータロット(写真 左から2番目)を見てみましょう。
このカードを見る限り、悲しみが深いせいか、まだ周りは見えておらず自己嫌悪の状態だと思います。
そこで数ヶ月後の「イワナガヒメ」の心情をカップのカードの中から引いてみました。
「カップの8」(写真 右から2番目)が出ました。
このカードは次の目的地へ向かう意思が固まったことを示すカードです。
まだまだ幸せにはなっていないけれど執着していた物から心が離れ、傷も癒えてきたようです。
「カップの8」(写真 右端)のアフタータロットも見てみましょう。
女性がカップを覗いています。
恐らく、執着していた物がそれほどの物でもなかった事に気づいたのでしょう。
「ニニギ」に送り返された時は傷付いて、自己嫌悪になったけど、考えてみたら大した男ではなかったわ!
っていう感じでしょうか。
きっと未練なく前を向けたことと思います。
次回は異伝として語られる「イワナガヒメ」=「コノハナチルヒメ」説の紹介です。
「古事記」を読んで「イワナガヒメ」にも幸せになってもらいたいと思う人は多いでしょう。
そこで生まれた説です。
お楽しみに!
古事記の他の記事
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上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)
中巻(神武天皇から応神天皇)
下巻(仁徳天皇から推古天皇)
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