スペクトロライトはフィンランドのユレマー地方でのみ見つかる最高品質のラブラドライトです。
黒地に虹色の閃光を見せるのが特徴です。
スペクトロライト、ラブラドライトはともに宝石名 (商標名)で、鉱物名はフェルスパー (長石)です。
スペクトロライトについて
スペクトロライトは一般的なラブラドライトよりも長い年月をかけで成長したため、安定した層状構造を持っています。
地色が黒く、表面輝く色は青・緑・黄色・オレンジ色などの強い虹色が特徴です。
また、北欧神話では天気の神・ウッコが、地上に雷を落とした際にできた石であるともいわれています。
スペクトロライトの歴史
フィンランドの地質学者アーネ・ライタカリ氏 (1890-1975) は、フィンランド産のラブラドライトの研究をして、何年も産地を探していました。
しかし、殆ど成果がありませんでした。
第二次世界大戦中にアーネ・ライタカリ氏の息子ペッカ氏は兵士として戦車に対するバリケードを作るために石を集めていました。
そして1940年に偶然スペクトロライト鉱床を発見したのです!
スペクトロライト 名前の由来と和名
アーネ・ライタカリは
「イメージ」や「外観」を意味するラテン語の「スペクトラム」にちなんで「スペクトロライト」と命名しました。
七色の輝きを持っているため、和名は「分光石」です。
スペクトロライトと一般的なラブラドライトのちがい
・スペクトロライトはフィンランドのユレマー地方で採れるラブラドライトです。ですから希少です。
・スペクトロライトライトの地色は黒です。一般的なラブラドライトは地色が黒とは限りません。黒い物であっても、フィンランド産でなければスペクトロライトと呼ぶことはできません。
・ラブラドライトは透明度が高いものもありますが、スペクトロライトのベースは不透明です。
・スペクトロライトは一般的なラブラドライトよりも長い時間をかけて成長し、薄い結晶の層が整然と重なった構造のため、鮮明で力強い輝きが特徴です。
スペクトロライトの成分
スペクトロライトとラブラドライトはフェルスパー(長石)具体的には斜長石の長石です。
フェルスパーグループの鉱物とその分類
ラブラドライトの成分はナトリウム、カルシウム、アルミニウム、シリコンです。
カルシウムとナトリウムの含有量はさまざまで
カルシウム系(Ca[Al2Si2O8])は 50 ~ 70 パーセント
ナトリウム系(Na[AlSi3O8])は 30 ~ 50 パーセントです。
化学式は
(Ca[Al2Si2O8])+(Na[AlSi3O8])
と表されます。
スペクトロライトの硬度
モース硬度は 6〜6.5
💎参考記事
スペクトロライトの劈開
一方向に完全
一方向に良好
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スペクトロライトの光沢
ガラス光沢
真珠光沢
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スペクトロライトのラブラドレッセンス (ラブラドル効果)
スペクトロライトを含むラブラドライトはラブラドレッセンスという光の干渉効果をみせます。
ラブラドレッセンスとは光が当たると夜空に浮かぶオーロラのように不思議で魅力的な光が浮かんで見える現象です。
スペクトロライト(ラブラドライト)の内部は、曹長石と灰長石の薄い層が規則正しく並んでおり、そこに光が当たることで、薄層による光の干渉が起き、ラブラドレッセンスが出現すると考えられています。
スペクトロライトは長い時間をかけて成長するので、ラブラドレッセンスの強度も一般的なラブラドライトより強いです。
スペクトロライトの石言葉
・情熱的
・危険な愛
スペクトロライト 誕生日石
スペクトロライトは
12/17の誕生日石です。
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スペクトロライトの産地
スペクトロライトは
フィンランドのユレマー地方🇫🇮
でのみ採れます。
ユレマー地方はフィンランド南東の (ロシアとの国境付近) です。
黒地のラブラドライトを「スペクトロライト」として販売しているところがありますが、「スペクトロライト」はフィンランド産のみに許された名前です。