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「アマテラス」による地上統治計画④
「雉の頓使(キジのヒタヅカイ)」
これまでのあらすじ 「アマテラス」は「葦原中国は自分の息子に治めさせたい」と言い出し、まず「ホヒ」を派遣しました。
しかし「ホヒ」は「オオクニヌシ」に取り込まれ、何の報告もしませんでした。
そこで次に「ワカヒコ」を送りました。
「ワカヒコ」は地上で恋に溺れ、職務を忘れてしまいました。
多くの神に「アメノ」が付いており、似た名前になってしまうので文中では抜くこととします。
・「ホヒ」は「アメノホヒ」
・「ワカヒコ」は「アメノワカヒコ」
のことです。
・「ホヒ」は「アメノホヒ」
・「ワカヒコ」は「アメノワカヒコ」
のことです。
「アマテラス」による地上統治計画④
「雉の頓使(キジのヒタヅカイ)」
「古事記」におけるこの部分
この箇所は天と地で繰り広げられるダイナミックなお話しです。少しでも分かりやすくなればと思い図を作ってみました。
参考になれば幸いです。
「アマテラス」は「タカミムスビ」や他の神々を集めて
アマテラス
「ワカヒコ」は地上に行ってから随分経つのに戻って来ないのよ(怒)。
何で戻って来ないのか、誰に聞きに行かせたらいいかしら?
何で戻って来ないのか、誰に聞きに行かせたらいいかしら?
「オモイカネ」が
オモイカネ
鳴女という名前の雉に行かせましょう。
オモイカネ
地上の「ワカヒコ」の所に飛んで行って
「荒ぶる神々を説得に行かせたのに、何故長い間帰って来ないのか」
と聞いてきなさい。
「荒ぶる神々を説得に行かせたのに、何故長い間帰って来ないのか」
と聞いてきなさい。
雉は早速、地上の「ワカヒコ」の所に行き(上の図①)
キジ
荒ぶる神々を説得に行かせたのに、何故長い間帰って来ないのか?
すると、「ワカヒコ」と一緒に聞いていた「サグメ」という巫女が
サグメ
この雉の鳴き声って不吉です。
すぐに殺した方がいいですよ。
すぐに殺した方がいいですよ。
「サグメ」とは「天佐具賣(アメノサグメ)」という巫女です。
「天の探る女」という意味で、隠密なことを探り出すために高天原から「ワカヒコ」と一緒に地上に来た巫女だと思われます。
「天の探る女」という意味で、隠密なことを探り出すために高天原から「ワカヒコ」と一緒に地上に来た巫女だと思われます。
するとその矢は雉を射抜き、高天原まで飛んで行きました。(上の図③)
高天原で「タカミムスビ」が矢を見ると、血がついていました。
「タカミムスビ」は高天原の神々に血を見せウケイをします。
「ウケイ」とは簡単に言えば占いの一つです。
「〇〇なら△△になる、✖️✖️なら□□になる」
とあらかじめ決めて誓約し、どうなるかによって神の意思や物事の正邪を判断する方法です。
「〇〇なら△△になる、✖️✖️なら□□になる」
とあらかじめ決めて誓約し、どうなるかによって神の意思や物事の正邪を判断する方法です。
タカミムスビ
もしもこの血のついた矢が、地上統治のために使われた物なら「ワカヒコ」に当たるな。
しかしもしも「ワカヒコ」が命令に背いているなら「ワカヒコ」に当たれ。
しかしもしも「ワカヒコ」が命令に背いているなら「ワカヒコ」に当たれ。
すると矢は地上で寝ていた「ワカヒコ」に当たり「ワカヒコ」は死んでしまいました。(上の図⑤)
この時の雉は高天原に帰ってくることがありませんでした。
諺の「雉の頓使」というのはこの話が元になっています。
「雉の頓使」とは行ったきり戻って来ない使いのことです。
はるさん的補足
「あまのじゃく」の由来となった
「サグメ」と「ワカヒコ」
「あまのじゃく」という言葉がありますね。
現代では、他者(多数派)の思想・言動に逆らうような言動をするひねくれ者
という意味で使われます。
しかし元は「天邪鬼(アマノジャク)」という人の心を察してからかう妖怪や小鬼のことでした。
その語源と言われているのが、「サグメ(天佐具賣アメノサグメ)」と「ワカヒコ(天若日子アメノワカヒコ)」です。
「サグメ」は本来悪者ではなかったのですが「ワカヒコ」に余計なアドバイスをしたことから「天の邪魔をする鬼」つまり「天邪鬼」になったと言われています。
また、「ワカヒコ(天若日子アメノワカヒコ)」の「若」の字が「ジャク」とも読めることから、「ワカヒコ」が「天邪鬼」だという説もあります。
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