(15)『日本神話タロット』月①「満ちる月 ツクヨミ」三貴子の一人
月 「ツクヨミ」
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(15)『日本神話タロット』月①「満ちる月 ツクヨミ」

これまでのあらすじ

イザナミ」に先立たれた「イザナギ」は「黄泉の国」に「イザナミ」を迎えに行きましたが、連れ戻すことに失敗しました。

黄泉比良坂」で「イザナミ」と決別した「イザナギ」は禊を行います。

禊をしている時にたくさんの神が生まれました。

左目を洗っている時に生まれたのが「アマテラス」で
そして右目を洗っている時に生まれたのが「ツクヨミ」です。

写真は「イザナギ」が禊をしたと言われる現在の阿波岐原森林公園(宮崎県)です。


『日本神話タロット 極参』月①「満ちる月 ツクヨミ」

「月」のカードの意味

正位置

不安定、偽り、幻惑、現実逃避、猶予ない選択

逆位置
好転、直感、軽度の過ち、過去からの脱却

『日本神話タロット 極参』月「満ちる月 ツクヨミ」の解説文(写し)

イザナギの禊で生まれた三貴子の一人。

夜蝕国を支配するツクヨミは日によって姿を変えます。

そのため日本神話には性別がありません。

日本神話タロットでは2枚の月のカードが入っています。

こちらは満月で女神のツクヨミです。

アマテラスとスサノオ誓約(ウケヒ)

「女を生んだから自分の心は清い」

というスサノオの弁明があるため、女神のツクヨミは清い存在でアマテラスの太陽に近い「満月」として描いています。

参考記事

「ツクヨミ」について

ツクヨミ」は「アマテラス」「スサノオ」と並んで「イザナギ」の禊の時に生まれた三貴子のひとりです。

にも関わらず「古事記」では
イザナギ」に「夜の食国(夜の世界)を知らせ(統治せよ)と命じられた」
という記述以外には出てこない神です。

「ツクヨミ」という名前

古事記」では月讀命と表記されています。

一般的に「ツクヨミ」と読まれていますが、伊勢神宮などでは「ツキヨミ」と読まれています。

月を読む」というのは「月を数える」という解釈がなされ、と結びつける由来説があります。

ツクヨ」が月で「」が神を表すので「月の神」と解釈するのが一般的です。

古代人には重要視されていた「ツクヨミ」

古事記」や「日本書紀」には殆ど登場しない「ツクヨミ」ですが、民間人には重要視されていたようです。

日本では明治時代初めまで月の満ち欠けに基づいて暦を数える「陰暦」を用いていました。

人々は月の満ち欠けを数えて季節を知り、農業を営んできました。

そのため「ツクヨミ」は「農業神」として信仰を集めました。
三峯神社の末社「月讀神社」(埼玉県)

はるさん的補足

ツクヨミ」はもともと壱岐の地で信仰されていた神だったと言われています。

壱岐は「ヤマト王権」が朝鮮半島との外交を行なう上で、航路上の要衝の地でした。

壱岐には立派な月讀神社があります。

興味のある方はこちら(壱岐観光ナビ)からご覧ください。
昔の人は空の様子を見て

「お月さまにカサがかかると天気が悪くなる」

などと判断していたようなので航路上のの安全を願うために「月の神」を信仰していたのかもしれませんね。

」のカードはもう一枚あります。

そちらで日本書紀」に登場する「ツクヨミについて書いていきます。

古事記の他の記事

古事記の他の記事はこちらからご覧ください。

上巻(天地開闢から海幸彦山幸彦)

中巻(神武天皇から応神天皇)

下巻(仁徳天皇から推古天皇)

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