[節制] AFTER TAROT『アフタータロット』
「節制」

『アフタータロット』とは

「アフタータロット」は「ウェイト版タロットカード」の少し後を想像して描いたカードです。
(2016年 イタリア・LO SCARABEO社製)

詳しくはこちらをご覧ください

[節制]の『アフタータロット』

添付の解説書

[節制]の
『アフタータロット』の解説書
*はるさん的和訳*

「節制」は2つの両極端な物のバランスを取ることと、恵みのカードです。

天使が澄んだ青い水溜まりの淵に立っています。

片方の足は水の中に、もう片方の足は地面の上に乗っています。

天使が左手に持った聖杯を天国に向けると、鳥が空にむかって羽ばたき始めました。

そして、右手の聖杯の水を、水溜まりに注ぎました。

参考記事

[節制]の『アフタータロット』
*はるさん的見解*

時間的経過

「節制」の「アフタータロット」は、山に太陽が沈んでいく様子でしょうか。

「ウェイト版」とさほど太陽の位置が変わらないことから、数分後でしょう。

色の変化

色が表すイメージ

青:神の領域
黄色:天国、神と人間の間
灰色:俗世間

背景の色が灰色から黄色みがかった色に変化しました。

「ウェイト版タロット」では、まだ俗世界にいる状態だから背景は灰色、「アフタータロット」では一段上がって精神的に天国に近づいたので背景は黄色みを帯びたのかもしれません。

太陽が「死神」の絵の太陽ととても似ているので、もしかすると「節制」は太陽を挟んで逆側にいるのかもしれませんね。

数字から考える

「節制」は14番のカードです。

①「14」は「7」の倍数です。

タロットカードで、「7」の倍数は勝利を表す数字です。
(「7」は「戦車」、「21」は「世界」)

この天使は何かに「勝った」あるいは「満足」している状態でしょう。

また、胸には三角形と四角形のマークが描かれています。

三角形錬金術における三原質(硫黄、水銀、塩)を表すと言われていて、四角形四大元素を表すと言われています。

「節制」には四大元素がすべて描かれています。
●水
●地
●風(天使の羽が風を表します)
●火(胸の三角形が火を表します)

それらの合計が「7」なこともあり、「節制」のカードは錬金術と関わりが深いと言われています。

昔の元素記号

②「14」を分解して足すと「5」「5」は「変化と進歩」の番号です。

タロットカードで「5」は「教皇」です。

「教皇」は仲裁をするカードで「節制」はバランスのカードですから、似ています。

しかし、「教皇」は奇数で外に向かっているのに対して、「節制」は偶数なので内側(天使自身)に向かっています

欲望を理性で制御している状態と言えるでしょう。

聖杯を持つ手の変化

「ウェイト版」では水をこぼさないようにバランスをとっていました。

しかし、「アフタータロット」ではやめました。

「欲望を理性で制御していた状態」から、自分の意思で行動を起こす決心をしたように見えます。

天使の表情も強い意思を感じさせる物となっています。

「真面目一辺倒に生きることをやめて、やりたいことに目覚めた、そうしたらびっくりするような成果が表れた」という状況に見えます。

このカードを見て、私が思い浮かべたのはユングです。

ユング (1875〜1961)
ユングは「アニマ」と「アニムス」のバランスをとることで、人間として、完成すると、言いました。

しかし「人生の正午」を経て、「人生の午後」の老いていくプロセスになると、「終わりを意識する」ことの大切さを説いています。
(絵も日没ですね)

これを間違えると「中年の危機」に陥ります。(ユング自身も陥りました)

ユングが晩年に残した言葉を紹介します。

「人生も半ばを過ぎると、生とともに死ねる人間だけがハツラツとした人生を送れる

なぜなら人生の真昼に潜む、秘密の時間に放射線が向きを変え、死が生まれるからだ。

人生の後半を象徴するのは上昇、進展、増大、繁栄でなく、死である。

終わりが目標なのだから。」

ユングは心理学者ですが、神話研究に励み、錬金術に関する本も書いています。

また、易教や占星術も学んでいました。

「アフタータロット」の作者は、ユングに敬意を示し、 「人生の午後」をどのように過ごすか、考えることが大切だと、私たちに伝えたいのかもしれません

今回はユングで 通させていただくと、「飛び立つ白い鳥」は夢占いでは「仕事や人生の成功」を表すそうです。

[節制]のカードの運勢とクリスタル

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コメント一覧
  1. 小鳥遊さんコメント (はるさん代筆)

    ウェイト版ではカップのエースに登場しますが、白い鳩はキリスト絵画では
    ・精霊の象徴
    とされています。
    「天が裂けて霊が鳩のようにご自分に降ってくるのを」という記述が新約聖書にあり、イエスの洗礼画には白い鳩が度々描かれます。

    次にウェイト版においてこの節制のカードと対比で描かれているカードが「魔術師」です。
    魔術師はたいそうな道具を使って世界に変化を起こそうとしますが、この天使は大自然の中でその諸力を用いて世界に変化を起こさせることを示しています。

    • ありがとうございます♪
      やはり、この白い鳥は鳩だと考えるのが一般的でしょうか。
      解説書にbirdとなっていたので、思い切った解釈してみちゃいました。
      父と子と精霊の皆によりてアーメン
      という精霊ですね。

      60くらいの真面目な男性に「これからは恋愛に生きたい」と切々に語られたのが影響しているかも。

      節制に対比しているのが魔術師だったんですね。白い鳥が出てきた時点で気づくべきでした!

  2. 高い精神性と絶え間ない努力と積み重ねの上に天使は「白い鳩=聖なる精霊」を生み出すことができたのでしょう。
    これは特別な技術や物、またとくべつな儀式に頼らずとも、日々の節制と感謝(高い精神性)を持った暮らしの中に神は宿る
    という結果を示したのかもしれないですね。

  3. なるほどです。
    そうすると14番のカード(偶数)は内向きのカードなので、あくまで内向きに成長していますね。
    弾けちゃって、鳥出してみっちゃった!
    ではないですね。笑

  4. あと、まだ考察していませんが、魔術師のアフターにも白い鳩がでて、道具が浮いていますね。同じ白い鳩ですが、どうもマジックショーの鳩っぽい気がします。
    青い神聖な剣も、ただの剣に変わってしまって。
    なのでアフターでもこの節制と対比させたのかなと思いました。

    • たしかに、マジックに見えますね。でも、子供っぽい魔術師を見守ってくれているようにも見えるかも。笑

      今回もたくさん教えてくださりありがとうございました!

  5. ユングは、外向性、内向性の類型を成立させた心理学者ですね。性格診断でよく目にするので影響力大きいですよね。
    そのユングは、人生の後半は死を意識して生活しなさいと言っているのですね。はい。さぼらないでちゃんと断捨離を進めるようにします。
    あと、コツコツ頑張れば、人生の後半を白いハトが飛び立つように仕事などで成功させられるということですね。なら、もう少し頑張ってみようかな。
    魔術による登場も、節制による登場も希望の象徴でかわいい白いハトの出現は単純に嬉しいです。
    水が青から黄色になりましたが、神の世界から天国に近づいたのかしら?

    • ありがとうございます♪♪
      宗教の解釈が感覚的に難しかったので、ユングを軸に考えてみました。そうすると、理屈で考える私にはストーンと来るかもって。
      たぶん、ここは煉獄で、俗世間との間なんじゃないかな。

  6. よしちゃんコメント (はるさん代筆)

    白い鳥が飛び立つ、、、成功!
    その後に残された彼は何を思い、どうなるのでしょう。
    中年の危機に陥る?あるいは15悪魔になる?
    僕は大アルカナ0〜10は抽象的な意識が具体的に固定化され、11〜21までは固定化された物が解放されていく過程と取っています。
    意識や魂が肉体に固定される事に窮屈を感じ(カード12吊るされた男)それを脱ぎ捨て(13死神)今度は魂が騒ぎ、内面や外面に色々求め、要求したりし始めのが14節制15悪魔、の課程と取っています。
    で16の塔でドカンとくると。
    節制は「思慮の健全さ」で西洋の徳のうちの一つなのですね。「ウェイト版で」彼が壺の間で水を流しているのは、感情を右から左にすることで調整することによって思慮の健全を保とうとしているのでしょうか。
    鳩となり飛んだのは、その成果?
    はるさんの、7の倍数の解釈にとても共感しました。倍数が勝利の系譜である、、、すごいです。
    徳の考え方では七元徳というものもありますね。
    西洋の徳の考え方であるとか、明るくない方面のことを改めて勉強になりました。
    あと、自分が極めて日本人的な認識である、だけど、色々な考え方があると、再認識させられました。

    • たくさん教えてくださり、ありがとうございます!

      このカード、本当に好きなんですよ。
      バランスのいい人間でありたいですし、ミカエルもイーリスも大好きなので。
      あくまで、内面の成長を求めたとしても、バランスの良さを意識して、死を意識して生きれば、白い鳥を出せるんじゃないでしょうか。
      思慮の健全さが肝要ですよね。
      そしたら中年の危機も乗り越え、もちろん悪魔になんてなりません!
      私も、根っからの日本人なので、感覚的に、死生観が掴みにくく、ユングを通して理論的なアプローチをしてみました。
      美術や音楽は大好きなので、図書館で、ギリシャ神話や聖書にまつわる本や美術書をたくさん借りてきました!
      勉強します。

      いつもありがとうございます。とても感謝しています。

  7. 久美さんコメント(はるさん代筆)

    昔の元素記号、象形文字みたいですね!
    節制の「やりたいことに目覚めた、そしたらビックリするような効果が表れた」って
    はるさんみたいですね。
    とにかく充実した、人生の残りの半生を過ごしたいですね!

    • ありがとうございます♪

      発見された元素が少なかった頃はこれでよかったんでしょうね。
      錬金術って怪しげな感じだけど、錬金術から、化学は進歩したといってもいいそうです。

      残りの半生、充実させましょうね!

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