偽物なんて言わせない!「スピネル」の魅力
イギリス王室の戴冠式用王冠の「黒太子のルビー」はスピネル

スピネルについて

「スピネル」は、鉱物の一つです 硬度は7.5〜8です 今は宝石として とても人気が高い物ですが 「ルビーと思われていたのに レッドスピネルだった」 「エメラルドだと信じていたら グリーンスピネルだった」 というがっかりなエピソードで 有名な石です 参考記事

スピネルとは

「スピネル」とは和名で尖晶石(せんしょうせき) といいます マグネシウムとアルミニウムの 酸化鉱物で 化学式はMgAl2O4です 「ルビー」は 「コランダム」という石で 化学式はAl2O3で 「エメラルド」は 「ベリル」という石で 化学式はBe3Al2Si6O18 なので、全く別の石です 鉱物学者の ジャン・バティスト・ルイ・ ローマ・デライルによって 1783年に「スピネル」の 化学式が発見されるまで、 「ルビー」や「エメラルド」と 差別化されていませんでした

有名なスピネル

「黒太子のルビー」

黒太子のルビー

14世紀にエドワード黒太子が入手した 140カラットの「レッドスピネル」です 18世紀まで、「ルビー」だと信じられて いました 今では戴冠式で使われる王冠に 据えられていますが、 ヘンリー5世リチャード3世は このスピネルをにつけて 戦ったそうです

ティムールのルビー

ティムールのルビー
この「スピネル」は361カラット です ティムール朝のかつての所有者 5人の称号が刻まれています 現在はイギリス王室が 所有しています

ロシア帝国の王冠のルビー

ロシア帝国の王冠
1762年の エカテリーナ2世の戴冠式のために 製作されたものです こちらは398.72カラットの 「スピネル」です いずれも、なぜか未だに 「ルビー」と呼ばれているのが 紛らわしいですね

スピネルの色と 発色原因物質

カラーレススピネル

カラーレススピネル

3/14の誕生日石です 「スピネル」そのものは 無色透明です 何らかの混ざり物が 入っている物が多く 大変希少性が高いものです 殆どの物は含有する 鉄、クロム、マンガン、コバルト、亜鉛 などの微妙な量によって 赤、青、緑、黒などに分けられます

レッドスピネル

一般的なレッドスピネル
10/25の誕生日石 発色原因物質:クロム (「ルビー」「エメラルド」と 同じ) クロムの含有量によって オレンジ色のような赤から 紫に近いような赤まで あります クロムが多いと、真っ赤になりますが 実際は褐色がかった 「レッドスピネル」が多いようです (下の写真)
レッドスピネル

ブルースピネル

ブルースピネル
9/20の誕生日石 「スピネル」で最も高価な物は 「ブルースピネル」です

ブラックスピネル

ブラックスピネル
最も出回っている量が多いのが 「ブラックスピネル」です

グリーンスピネル

4/17の誕生日石です 「エメラルド」と間違われていた 石です

イエロースピネル

イエロースピネル
2/12の誕生日石 黄緑色やオレンジ色の ような物が多く 写真のような黄色い物は 滅多に見られないそうです

最後に

「スピネル」の発見から、 「宝石学」という学問が 生まれたと 言われています 「王冠のルビー」などが 「スピネル」だと分かった時は がっかりした人も多かったと 思います しかし 「レッドスピネル」や 「グリーンスピネル」は 「ルビー」や「エメラルド」より 色が濃い物も多く インクルージョン(きず)が少ない 魅力もあります これを機に、「スピネル」 という名前を覚えておきましょう
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