『アフタータロット』とは
「アフタータロット」は「ウェイト版タロットカード」の少し後を想像して描いたカードです。(2016年 イタリア・LO SCARABEO社製)
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[悪魔]の『アフタータロット』
[悪魔]の
『アフタータロット』の解説書
*はるさん的和訳*
「悪魔」は私たちの暗い部分や、影の面を象徴する存在です。悪魔の足元で裸の男女が性行為をしているのを、彼は悪意のあるギラギラする目で睨みつけています。
彼の持つ松明は、よく燃え盛っているので、行為の詳細までよく照らしています。
影には悪魔たちがいて、ニヤニヤしながら見ています。
悪魔の一つは、アダムとイブを原罪にそそのかしたヘビです。
参考記事
[悪魔]の『アフタータロット』
*はるさん的見解*
男女が性行為を始めた ここに描かれている男女は「恋人」のカードの男女、アダムとイブでしょう。
彼らは、蛇にそそのかされて「善悪の知識の果物」を食べてしまい、楽園を追放されました。
追放された当初は「悪魔」の台座に鎖で繋がれたりして、茫然としてしまっていたのではないでしょうか。
しかし、鎖が結構ゆるいことに気がついた2人は、性行為を始めました。
鎖に繋がれた絶望的な状態でも、快楽や楽しみを見つけ出したのでしょう。
「ウェイト版」でも女性の方が表情が明るく、「アフタータロット」でも積極的に見えます。
絶望的な状況の中では、女性の方が 落ち着いていて、たくましいのかもしれません。
大きな悪魔
①山羊の頭をした悪魔のモデル
「悪魔」の絵のモデルは「バフォメット」と言われています。
「バフォメット」はキリスト教徒が想像する異教の神で、黒ミサを司る山羊の頭を持った悪魔です。
エリファス・レビィが描いた「バフォメット」が有名です。
②左手に持っている松明を挙げた
「ウェイト版」では左手を下に向けていましたが、「アフタータロット」では上に挙げています。
下向きの松明というのは、古代ギリシャや古代ローマでは「喪の印」でした。
一方、上を向いた松明は「再生する炎の力」を表し、「生の象徴」です。
「ウェイト版」の下を向けた松明は「楽園から追放されたばかりの2人の絶望」を表しています。
「アフタータロット」での上に挙げた松明は、2人が希望を見出し、子孫を繁栄させようとしていることを表しています。
神(か大天使)が2人を楽園から追放した時に、神は女に「子を産む苦しみ」を与えたそうなので、その象徴としての「上を向いた松明」を描いたと思われます。
③右手にあった、逆さまの「4」のようなマークが消えた
これは、占星術の土星の象形文字です。
(木星も似ていますが)
土星は「saturn 」、悪魔は「satan」なので、似ています。
また、土星には「束縛」という意味があるそうです。
それが、「アフタータロット」では消えました。
消えたのは「悪魔」が彼らの支配を辞めて、自由にさせようとしているのかもしれません。
④角と翼の色の変化
「ウェイト版」では灰色でしたが、「アフタータロット」では黄色みがかった色になっています。
灰色は「俗世間」の、黄色は「天国、神と人間の間」の象徴です。
彼らは楽園を追放され、反省したと見なされたのでしょう。
旧約聖書によると、彼らには「カイン、アベル、セト」の3人の子供が産まれ、アダムは930歳まで生きたことになっています。
(イブについての記述は無いようです)
数字から考える
「悪魔」は15番のカードです。
①「15」を分解して足すと「6」
「6」は「恋人」です。
まさに、ここにたどり着く前に、2人がいた楽園です。
「悪魔」と「恋人」の構図はよく似ていますね。
「恋人」の絵のアダムの後ろにある木は、松明の炎のようにも見えます。
さらに、彼らをそそのかしたヘビが「アフタータロット」には描かれています。
ヘビは、神に「一生、地をはいずり、チリを舐めよ!」
と、罰を与えられました。
ヘビも「トグロ」を巻いているので、罰が緩和されたのかもしれません。
②「15」=5✖️3
「悪魔」は5番の「教皇」とも構図が似ています。
「アフタータロット」の「教皇」は右手に本を持っているので、写真は「ウェイト版」との比較で載せました。
右手の人差し指と中指がくっついています。
これは、聖者が魔除けや除霊の際に用いるサインです。
「悪魔」と聞くと、「天使」の逆の悪いものを想像しますが、キリスト教では「悪魔」も天使の仲間である堕天使です。
ルシファーというのは、悪魔のトップですが、元は天使でした。
「悪魔」も「教皇」も人を導く存在という点で共通しています。
「教皇」も過去から最近に至るまで、様々な問題を起こしていますので、「教皇」の中にだって悪魔は潜んでいるのかもしれませんし、偉い聖者が3人集まると、見解の相違などから喧嘩をすることもありそうですね。
色々な悪魔?が表れた
「アフタータロット」にはドクロや怪獣?のような悪魔たちが出てきました。
カードの番号を足すと、6のなることは既述しました。
新約聖書の「ヨハネの黙示録」(13章第18節)に
「ここに知恵がある。思慮ある者はその獣の数字を数えなさい。その数字は人間を指しているからである。 その数字は666である」
と書かれています。
(666というのは「悪魔」を指す象徴的な数字であって、666体の悪魔がいるわけではありません。)
キリスト教的には、「反キリスト」の人間になります。
「アフタータロット」の解説書に、
「悪魔」は私たちの暗い部分や、影の面を象徴する存在です。
と、書かれていました。
全ての人間の心には「悪魔」が潜んでいて、他人の不幸を笑ったり、他人のプライバシーを覗いたりするものだ、と表しているのかも知れません。