『デンドリティック・クォーツ』樹木のようなインクルージョンのクォーツ
デンドリティック・クォーツ

デンドリティック・クォーツとは樹木のようなインクルージョンが入ったクォーツです。

黒いインクルージョンはシダのように見えますが化石ではなく、二酸化マンガンや酸化鉄が入り込み再結晶化した物です。

デンドリティック・クォーツについて

デンドリティック・クォーツ

デンドリティック・クォーツの名前の由来と和名

デンドリティック・クォーツは樹木のようなインクルージョンが入ったクォーツです。

「樹皮のような」を意味するギリシャ語 (dendron) からデンドリティック。

デンドリティック・クォーツは古代から採掘されていましたが、長い間「木の化石」だと思われていました。

本当の「木の化石」は珪化木というものです。

クォーツは「氷」を意味するギリシャ語の(krystallos)が語源となっており「デンドリティック・クォーツ」と命名されました。

和名は「忍石 (シノブイシ)」や「模樹石 (モジュセキ)」です。

(忍石は「忍草」に似ていることから命名されました)

忍草(シダ)

デンドリティック・クォーツの成分

クォーツは二酸化珪素が結晶化することで出来ます。

化学式は SiO2 と表されます。

クォーツは100年に約1ミリ成長します。

成長する過程で気泡や水が入ることがありますが、デンドリティック・クォーツは二酸化マンガンや酸化鉄(鉄サビ)が入った物です。

マンガンが含まれると黒色に、が含まれると褐色になると考えられているそうです。

デンドリティック・クォーツの硬度

モース硬度 7


💎参考記事 

石の硬度を表す「モース硬度」

デンドリティック・クォーツの劈開

無し

💎参考記事

鉱物の割れ方「劈開」ダイヤモンドは傷がつきにくいけれど割れやすい?

デンドリティック・クォーツの光沢

ガラス光沢

💎参考記事 

金属や石の印象を左右する7つの「光沢」

樹枝状結晶、デンドライトについて

デンドリティック・クォーツに見られる、複数に枝分かれした樹枝状結晶をデンドライトといいます。

冬の窓に付く霜の雪片もデンドライトです。

デンドライトが見られる鉱物は他に

デンドライト・アゲート

・デンドライト・アメジスト

・デンドライト・ローズクォーツ

などがあります。

(参考) デンドリティック・アゲート

デンドリティック・クォーツの石言葉

満足な成長

デンドリティック・クォーツ

デンドリティック・クォーツ 誕生日石

デンドリティック・クォーツは 5/22 の誕生日石です。

💎参考記事

12ヶ月の誕生石と366日の誕生日石

デンドリティック・クォーツの主な産地

デンドリティック・クォーツは主に

・ブラジル🇧🇷

・インド🇮🇳

・アメリカ🇺🇸

・マダガスカル🇲🇬

などで産出されています。




 

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コメント一覧
  1. 植物の化石?と思ったら水晶で、しかもそれは化石とかじゃなく鉄だったりするのですか!(◎_◎;)
    SiO2で表されるというのがまた、まんま「水晶」ですね。
    「デンドライト」(冬の雪や氷の結晶もそう)の説明もとても興味深かったです。デンドライト・アゲートにアメジストにローズクオーツ・・・いろいろあるんですね。
    (というかクオーツだけデンドリックなんですか?)

    • Yoshiさま
      ありがとうございます♪
      化石だと思われていたというのも納得ですね。
      デンドライトが自然にできる形なのであれば、植物も自然に形成されているわけですから似て当然かもしれません。
      デンドリティックの鉱物は二酸化珪素の鉱物にしか発見されていないようですね。
      エメラルドやダイヤモンドにも金属系のインクルージョンは入りますが、デンドライトの形のものは見つかっていなさそうです。
      水晶は伸びて成長していきますので成長過程に関係があるかもしれませんね。

    • クォーツが成長する物だとは初めて知りました!
      しかも、、100年に1ミリ!?すごーーい!
      知らなければ化石にしか見えない!
      石が好きな夫もこの石を初めて知ったと言っています。夫婦でこのサイト楽しんでますよ〜
      ありがとーございます

      • ありがとうございます♪♪
        なんとご主人様と!
        すごく嬉しいです。
        美しく不思議な鉱物、楽しいですよね!

    • ありがとうございます♪
      酸化鉄だと溶け込まないのですね
      成長の過程で過冷却してできたクラックに細かい粒子が入り込むのですね
      クォーツは氷の化石だと思われていたくらいですから霜と同じような模様を作るのでしょう。
      インクルージョンが多い宝石といえばエメラルドです。
      鉄やマンガンが入ることはありますが、デンドリティックにはならない(見つかってないだけかもしれませんが)ようですね。

  2. この度のデンドリティック・クォーツは以前にもお勉強させて頂きました
    構造を何度説明されても理解できず摩訶不思議です
    再結晶化と云うことは作為的にもマンガン、鉄をはじめ他の成分も注入適うことなのでしょうか…
    マンガンは黒、鉄は褐色、他成分であれば他色にも…
    デンドライト・アゲートの様に石英グループでしたら全てこの様な現象と成り得るのでしょうか…
    真に生きていられるような鉱“生物”に思えます。

    • 才色健躾さま
      ありがとうございます♪
      デンドライトが自然が作り出しやすい形なのですね!
      だからゆーっくりクォーツが成長していく過程でもデンドライトの形に金属元素が入り込むのですね。
      作為的にとなると水晶と同じような成分のガラス細工になります。
      アーティストさんたちの技術で注入は可能だと思いますよ。
      デンドリティックは私が知る限りこの形です。
      金属元素ではトルマリン入りやルチルクォーツがありますが、それらは針状です。

    • ありがとうございます♪
      デンドリティッククォーツを作為的には可能でしょうね。
      クォーツはガラスとほぼ同じ成分ですから職人さんが上手く作れそうです。
      でも多分デンドリティックアゲートの方が染色が簡単な分、偽物が多いように思います。
      アメジストも色が濃い物だとデンドリティックが目立たないでしょうね。
      カンゴーム(モリオン・黒水晶)やスモーククォーツも見えないでしょう。
      アメジスト(あまり濃くない物)やアメジストから作るシトリンやアメトリン、アゲートはよく見かけます。

  3. はるさんいつもありがとうございます。素敵樹木みたい〜不思議です〜目の保養有り難いです

    • こちらこそありがとうございます♪
      自然っていいなって思いますね
      楽しんでください!

  4. デンドリティック・クオーツの結晶の成長のしかたは、面白いですね。
    いくらマンガンや、鉄と言われても木やシダに見えます。
    アゲートも、アメジストも、ローズクオーツも、鉄やマンガンがデンドライトなのですね。
    霜だけが水。寒い日に見られたらいいな。

  5. デンドリティッククオーツの結晶の成長のしかたは、面白いですね。
    いくらマンガンや、鉄と言われても木やシダに見えます。
    アゲートも、アメジストも、ローズクオーツも、鉄やマンガンがデンドライトの内包物なのですね。
    霜だけが水。寒い日に見られたらいいな。

    • ありがとうございます♪
      ペットボトルを冷凍庫に入れて過冷却状態を作るとできるようなんですが、何度か実験してるんですが上手くいかないんです。泣
      鉄は多くの鉱物に入るのに
      (クォーツの場合、鉄元素が入るとアメジスト)酸化鉄となると溶けずにデンドリティックに。
      不思議で美しいですね。

  6. デンドリティッククォーツ、不思議です!本当にシダの化石にしか見えません。樹枝状結晶❄︎をデンドライトといい、霜の雪片もそうなんですね。クォーツが100年に約1ミリ成長しているとは知りませんでした。正に「満足な成長」ですねー

    • みゆきさま
      ありがとうございます♪
      私も数年前まで化石だと思い込んでおりました。
      自然が作り出しやすい形状なのですね。
      氷も植物も石のインクルージョンも!
      美しく成長して満足ですね!

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