[審判] AFTER TAROT『アフタータロット』
「審判」 左が「ウェイト版」 右が「アフタータロット」

『アフタータロット』とは

「アフタータロット」は「ウェイト版タロットカード」の少し後を想像して描いたカードです。
(2016年 イタリア・LO SCARABEO社製)

詳しくはこちらをご覧ください

[審判]の『アフタータロット』

添付の解説書

[審判]の
『アフタータロット』の解説書
*はるさん的和訳*

「審判」は、新しい世界の夜明けを告げ、私たちに、許しの力を思い出させてくれます。

大天使ガブリエルがホーンを吹きました。

その音は人々が彼らのお墓から起き上がるよう強います。

そして、一部の人は褒美として、永遠の命をもらえます。

一方で、乾いたガイコツが助けを求めて叫んでいます。

しかし助けられることはなく、ボロボロになって腐り続けます。

参考記事

[審判]の『アフタータロット』
*はるさん的見解*

聖書の「最後の審判」とは

「審判」のカードを理解するためには、必要な知識なので、簡単にかいつまんで説明します。

「新約聖書」の最後の章、「ヨハネの黙示録」に書かれた預言の一部です。

(「ヨハネの黙示録」は、「人類滅亡」と「最後の審判」の様子を描いています)

ミケランジェロの「最後の審判」をご存知の方は多いと思いますが、この場面を描いた物です。

ミケランジェロ「最後の審判」の一部 1536〜41年
敬虔なクリスチャンの友人に聞きましたが、本当に色々な解釈があるようです。

ここではその一つを紹介します。

まず、人間は死ぬと、天国、地獄、煉獄に分けられます。

その後、世界が終焉を迎える時に、神の御子イエスキリストがひとり一人の生前の言動を裁き、「永遠の天国(1000年王国)」か「永遠の地獄」に分けるのです。ここでは、クリスチャンかどうか、年齢、性別などは関係ありません。

さらに詳しく書くと
審判を受ける時、ラッパを吹く大天使ガブリエルは7回ラッパを吹きます

6回目のラッパが吹かれた時点で世界は終焉しますが、7回目のラッパが吹かれた時、善人だけが「許し」を得られて復活するそうです。

フラ・アンジェリコの「最後の審判」の絵も載せましょう。

フラ・アンジェリコ「最後の審判」1425〜30年
こちらの方がわかりやすいですね。

キリストが上部の真ん中にいて、周りに天使たち。

下にはお墓から出てきた人々。

右側に地獄、左側に天国が描かれています。

天に登った死者とガイコツになった死者

「ウェイト版」では、描かれている6人の死者全員が、ガブリエルを仰ぎ見て「天国に連れて行ってください」とアピールしていました。

手前の親子では子供だけが、奥の親子ではお父さんとお母さんだけが天国に行けたようです。

本当に年齢や男女の区別なく選ばれるようですね。

死神」でも、人々は「(死)神」に向かってアピールをしていましたが、服を着ていました。

「ウェイト版」の「死神」と「審判」
「死神」では肩書きや身分でアピールすることができたのです。

しかし「審判」では全員裸です。

「地上世界」での身分は関係なく、神と人間が向かい合っているのです。

選ばれなかった者はガイコツになり、天国に行った人の棺桶を触り、名残り惜しそうにしています。

天国行きに選ばれなかった子供のガイコツは「公平さ」と「厳しさ」を表現するため描かれたのでしょう。

ラッパを吹き終わったガブリエル

「ガブリエルのラッパ」
「ウェイト版」のラッパの下には「鳴り響いている印」として7本の線が描かれていました。

しかし「アフタータロット」では消えています。

そして下に向かって吹いていたガブリエルも、ラッパを上げ、天に昇ってくる人たちに目をむけました

ガブリエルは大仕事を無事終えた、といったところでしょう。

ウェイト博士は(「ウェイト版」の「審判」のカードを) 「神の呼びかけに応えた、変革という大いなる作業の達成を示している」とおっしゃったそうです。

「アフタータロット」はさらにその後なので、ガブリエルの表情がどこかホッとしているように見えます。

「審判」 左が「ウェイト版」 右が「アフタータロット」
「アフタータロット」のガブリエルの髪の毛の赤い部分が「ウェイト版」よりもハート♥️がハッキリしてますね。

「天国」に来た人を優しく迎え入れているのでしょう。

「救済」されて「天国」に昇って行く3人

男性、女性、子供の3人が選ばれました。

それぞれ
*男性=顕在意識
*女性=潜在意識
*子供=超意識 (直感やひらめき)
という象意があるそうです。


ですから、この3人で「三位一体」を表していると解釈することもできそうです。

この場合の「三位一体」とは三つのものが融合して完全なものとなるという意味です。

色の変化から考える

「ウェイト版」では人間が灰色に描かれていました。

ラッパの音によって棺桶から立ち上がったものの、まだ意識は目覚めていませんでした

それが「アフタータロット」では黄色みを帯びて描かれています。

「復活(天国行き)」を許されて情熱や忘れていた想いが蘇ってきたのでしょう。

「審判」を数字から考える

「審判」は「20」という番号がついています。

①「20」という数字

「20」という数字には、「自分でコントロールできない動きや変化」という意味があるそうです。

「ウェイト版」に描かれている人たちは、すでに死んでいます。

「最後の審判」は生前の事を裁かれるそうなので、ガブリエルにアピールしても仕方なかったのです。

②「2」×「10」=「20」

「2」は「女教皇」、「10」は「運命の輪」のカードです。
「女教皇」「運命の輪」「審判」のアフタータロット
タロットカードにはさまざまな種類の十字架が描かれていますが、「女教皇」と「審判」には「ギリシャ十字」と呼ばれる十字架が描かれているという共通点があります。

ギリシャ十字」は長さの同じ2本の線がそれぞれの中央で直角に交わっている十字架で、救済、公平、平等を意味します。

運命の輪」のカードは「さまざまな神さまの判断によって、人間に抗えない運命がある」ことを表しています。

「輪」の中には、人間にはわからない秘密が隠されていました。

しかし、「女教皇」の「隠された宇宙の叡智」と掛け合わされることによって、人間は「どうしたら善い人間になれるか」が理解できるようになってきました。

「審判」のカードは私たちに「まだ遅くない。死ぬまでに改心しなさい。」と教えてくれているのかもしれませんね。

[審判]のカードの運勢とクリスタル

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コメント一覧
  1. 物語性のある、とっても面白い解釈をありがとうございました。
    ミケランジェロ、フラ・アンジェリコの絵画も載せてくださり、美術の知識も増えました。
    3つの意識があって一人の人間の完全な意識となるという解釈よくわかります。
    アフターで色がついたのも、情緒が戻ったからなんですね。情緒のなかでも、安心感が強いでしょうね。
    このカードは、永遠の天国への道を選ぶのは神様だから、生きている今のうちに、善い行いをたくさん積み重ねるようにしたい、と思わせてくれるカードです。自分の行いがなるべく他の人、生き物にとって善い行いになるよう意識して過ごすようにします。

    • ありがとうございます♪
      ミケランジェロのが有名ですけど、フラ・アンジェリコのも、綺麗でいいですよね。人柄がとてもよい方だったようで、絵に表れているような気がします。
      3つの意識で三位一体、それで完全な人間になるという考え方、なるほどですね。
      死後のことは分かりませんが、善い人間になりたいと思うカードですね。。

  2. 聖子さんコメント ( はるさん代筆)

    ヨハネの黙示録をとてもよく調べて下さったと思います。
    フラ・アンジェリコの絵画も見事ですね。

    黙示録の中に、私の好きな聖言葉はたくさんあります。

    イエスキリストが私たちの罪のために十字架にかかって死なれ、復活し、再び来られ、私たちを永遠に生かして救ってくださることを予言し、神様を讃美し、礼拝する書、だと言われています。

    とてもよかったです。
    また教えていただきたいです。

  3. ありがとうございます♪

    ヨハネの黙示録は難解でしたし、解釈も本当に多いので、聖子に褒めていただけて、嬉しいです。

    世界終末論とか、少しオッカナイけど、愛に溢れる章なんですね。

    ありがとうございました!

  4. 今回も、すごい解釈・ご解説でした。
    最後の審判については本当に門外漢で存じ上げなかったところを、詳しくご解説いただいて。本当に勉強になりました。絵画も本当に素晴らしいです。

    いつもの数字の・・で20は2と0、10かける2といった意味あいで、2は二元論的な意味あい(陰と陽、善と悪・天国と地獄とか)、2の偶数は受動・内向きで内省を表し、
    0は○まる で場を表したり、0で割ると無限大になりうるという・あるいは高次と通じるがため現世がお留守という0番の愚者にも通じる、大きな可能性を表す数。
    また10は一周回って完成するを表しそれを2周してきたということで。このカードはなるべくしてなっている、「最後の審判」なのでしょうね。
    6人の人が立ち上がり、3人がすくい上げられた。3は安定+能動・6は3角形を二つ組み合わせた六芒星のような呼応関係を表し、3人は地獄(陰)へ、3人は天国(陽)へ、という形になっているのか。見ればアフターで救われた者・腐った骨の人の配置も✡️六芒星型ですね。
    大天使ガブリエルが吹くホルンの音が7本の線とは・・・考えたことありませんでした。本当にすごい気づきのきっかけを、いつもありがとうございます。
    7は6から一歩進む。一歩踏み出す、動きがある時というのは、2本足の人間が、バランスを崩して倒れそうになる、おっと・・と倒れる前にそっちに足をついて踏ん張る。それの繰り返しが「歩く」、前進の動きであって。仁王立ちの安定した偶数から、一歩踏みだすと、均衡や安定が崩れますが、ずっと動かないわけにもいかないし、前に進むとなると偶数ではなく1を足した奇数となる。
    安定・呼応の6から一歩進む・均衡を破る大天使ガブリエルには7の数字が必要なのでしょう。(ちなみに7は安定の数字4と前進の3を組み合わせた前進・戦車の数ですね。)
    このカード・絵の中に6、7の数字が隠れていたことにも改めて気づかせていただき。本当に楽しませていただいています。

    それにしてもガブリエルさんも・・・ホルンの大切なソロを終えてホッとされたんでしょうかね(^◇^;)先日のセイジ・オザワフェスティバルでも良いホルンソロが沢山ありました。

    • よしちゃん
      ありがとうございます♪
      私も最後の審判については、この機会に色々読んでみたんです。
      でも、ふんわりした内容なので、解釈がいくらでもできそうで。
      クリスチャンの友人2人に、確認して記事出しました。
      よしちゃんに、数字で考えるということを教えて頂たおかげで、
      タロットへの理解が深まったことをとても感謝しております。
      六芒星の呼応関係という物があるのですね!
      地獄に行く人も天国に行く人も、併せての世界に繋がっているのかも知れません。
      ガブリエルは本来、戦いをする天使ですから、7がぴったりですよね。
      受胎告知と、このラッパで平和なイメージ(時に女性的に描かれる)もありますが。
      サイトウキネンは楽しめました!
      ホルンも響き、素晴らしかったです。
      ホルンときいてハイジを思い出すのは卒業しなきゃ。笑

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